援助交際やパパ活を理由に慰謝料請求や離婚はできる？法的に認められる証拠の種類と集め方

夫が浮気をしている…しかもその浮気相手が若い女性で援助交際やパパ活だった場合、あなたはどう思うでしょうか？

ただ若い子が良いからと言うだけで交際をしているなら許せると思うでしょうか？それとも、逆に若い子に手を出すなんて！と怒りを覚えるでしょうか？

もし許せないという場合は夫や交際相手に慰謝料を請求したり、夫との離婚を考えたりするようになるかもしれません。

しかし、援助交際やパパ活というものは浮気になるのでしょうか？ 

今回は、浮気の法的根拠に基づき援助交際やパパ活が浮気となるのか、慰謝料請求や離婚はできるのか解説していきます。

また、法的に認められる浮気の証拠とは具体的にどのような物なのかについても紹介しようと思います。

援助交際やパパ活は浮気になるのか？

今から30年ほど前のことですが、援助交際という言葉が世に広まりました。その呼び名から、「金銭的に援助してもらうための交際」というイメージを持ちますが、その実態としては若い女性が金銭などを受け取る対価として性行為や性交類似行為を行うこととされています。実質、売春という事になるでしょう。

若い女性と言っても、成人した女性ではなく当時高校生など未成年の援助交際が多く見受けられました。それは現在でも同じで、援助交際は比較的若年層の未成年を相手にする事が多いです。そうした未成年者との援助交際は児童買春罪や児童ポルノ所持罪（児童買春・児童ポルノ禁止法）、さらに青少年健全育成条例違反に問われることになります。そんな犯罪にもなる援助交際を夫がしている事を知った妻としては「浮気をされた！許せない！」いう思いだけでなく、軽蔑の目で見るようになることもあります。援助交際が原因で、ただちに離婚しようと考えてもおかしくありません。

また、近年、援助交際に類似した「パパ活」という言葉が出てきています。この「パパ活」というのはデートや性的行為の対価として金品を与えてくれる経済的に余裕のある男性を探すことを言います。内容としては援助交際によく似ていると感じますが、援助交際は性的行為を前提にしている一方、パパ活は「パパ」と呼ばれる金払いの良い男性と一緒にデートへ行ったり食事をしたりするだけで性的行為を行わなくても成り立ちます。

ちょっと考えてみると、昔「メッシー」と呼ばれるご飯を奢ってくれる人などがいましたが、それに少し似ているような気がします。

このように、援助交際とパパ活は似て非なる物と言えます。

妻としてはどちらも浮気と感じると思いますが、こういった援助交際やパパ活は法的に浮気となるのでしょうか？ 

次の項で詳しく解説していきます。

法的に見た浮気の基準

浮気と聞いてあなたはどのような行為を思い浮かべるでしょうか？配偶者が異性に好意を寄せたら浮気、はたまたキスをしたら浮気？色々な基準があると思います。

どういった行為を浮気だと感じるかは人それぞれですが、法的には浮気というものはどう定められているのでしょう？

実は法律用語に浮気と言うものは無く、特に刑法や民法などの条文に定められているものではありません。

ただし、法律用語では同類の言葉として「不貞行為」と言われるものがあります。

婚姻関係にある夫婦間においては互いに貞操義務があるものとみなされており、これに反する行為を不貞行為としています。

そして、具体的に不貞行為とは何をすることなのかについては、過去の判例によって『自由意思にもとづく、配偶者以外の者との性的関係』と結論づけられ、性交渉に限定されています。

また、民法では「離婚を訴えることができる事由」の一つに「配偶者の不貞な行為」との記述もあります。

ようするに、法的には配偶者以外の者と自由意志で性行為を行う事を不貞行為としており、不貞行為は離婚の理由にもなるということになります。

ポイントは「性行為」の有無

法律の観点から援助交際やパパ活が浮気に該当するかどうかを判断する上で重要なのは、やはり性行為の有無です。そして性行為があったことを立証できる証拠があれば浮気として認められる可能性が高いです。

援助交際では性行為がある事を前提としているので法的にも不貞行為が成立します。一方パパ活で若い子と食事やデートだけの場合、法律的には不貞行為とはなりません。しかし、パパ活でも性行為があるのなら援助交際と同様、浮気として認められるでしょう。

慰謝料請求や離婚請求には証拠が重要

援助交際でもパパ活でも、若い女性にお金を払ってまで交際をしている夫を想像するだけで嫌になってくるかもしれません。夫との今後の生活も考えられなくなってしまう事もあります。そうなると、慰謝料請求する事や離婚も視野に入れるようになるケースも少なくありません。

もし夫が援助交際やパパ活で性行為を行っているとすれば不貞行為となるので、民法でも定められている不法行為による損害賠償請求(慰謝料請求)もできますし、裁判でも認められる離婚の理由(法定離婚事由)にもなります。

ただし、夫が援助交際やパパ活をして性行為を行っているに違いないと妻が確信していたとしても、相手がそれをかたくなに否定しているとすれば話し合いがまとまる事はないでしょう。そうなると裁判を提起し、その中で相手に浮気を認めさせるか裁判所の判断で判決を下してもらう事が必要になります。

しかし、裁判になったからといって今まで不貞行為を否定していた相手が不貞行為を認めるようになるわけではありません。そうなると、こちらが証拠をそろえて裁判で立証していくしかないのですが、もし証拠が不十分であった場合、浮気は認められないという結果になってしまいます。

そのため、慰謝料請求や離婚をしようと考えた時、不貞行為の証拠集めは大変重要となります。

不貞行為の証拠とはどのようなものか

夫が援助交際やパパ活をしていて、その中で相手と肉体関係を持っている事を証明するためにはどうしたら良いでしょう。若い女性とデートしている様子やキスをしているところを目撃したとしても、それらの状況だけでは２人が性行為を行う関係なのかはわかるはずがありません。もしかしたら、夫だと思っていた人が見間違いで他人だった可能性もゼロではありません。そういった目撃情報などは、でっち上げも可能で勘違いや見間違いの事もあり信憑性に欠けるため証拠にはなりません。

法的に不貞行為を立証したいと考える時必要なのは、性行為そのものがあった事を示す証拠です。さらに性交類似行為（性行為でなくてもそれに準じる行為）も含まれます。

そこで、具体的にどのような物が不貞行為の証拠として有力かご紹介します。

1.ラブホテルに出入りする写真や動画

ラブホテルは、性行為を行うことを目的とした施設であると一般的に認識されており、裁判においても捉われ方は同様です。つまり、ラブホテルを利用した二人には性行為があったとみなされるわけです。

ただし、ラブホテルに入ってもすぐに出てきた場合、「間違えて入った」「急に体調が悪くなって近くにあったから少し休んだ」と主張する事もできます。そこで、一定の滞在時間（概ね40分以上）を過ごしていたことを証明するため、滞在時間がわかるように入った時間と出てきた時間がわかるように時間入りで撮影した映像が有力な証拠となります。

2.性行為中の写真や動画

2023年7月より、他人の性的な体の一部や下着などを相手の許可なく映像におさめる行為は性的姿態撮影等処罰法に該当する犯罪となっています。よって、配偶者と浮気相手の性行為を妻が撮影する事はできません。ですが、スマホの普及により、ありとあらゆる場所で簡単に写真や動画が撮影できるようになり、中には性行為中に自ら写真や動画を撮る人もいます。そういった写真をスマホに保存しておく人もいるので、それらの決定的な写真や動画が見つかればかなり有力な不貞の証拠となります。

3.SNSメッセージやLINEのやり取り

援助交際やパパ活の相手と出会う時はスマホを使ってSNSなどのコミュニティーサイトやマッチングアプリで出会う機会が多いです。

その後会うための連絡もほとんどスマホを使って行われています。

スマホでのやり取りの内容を見れば援助交際やパパ活に関係する多くの会話を見つけられる可能性があります。

ただし、具体的に不貞の証拠になり得るものは、日常的な会話ではありません。援助交際の約束や金額の交渉などや性行為があったと推測されるような内容であれば有力となります。

そういったメッセージのやり取りを見つけたら、やり取りを表示した夫のスマホごと自分のスマホで撮影しておきましょう。

援助交際やパパ活は繰り返し行われるケースが多く、1度や2度ではなく何度も性交渉があると推測されます。一気に集めようとせず、時間をかけて根気よく探せば複数の証拠を見つけ出せるでしょう。

4.カーナビやドライブレコーダーの履歴

カーナビやドライブレコーダーの履歴から浮気の証拠が掴める事もあります。

慣れない土地でラブホテルを探すためにカーナビで検索したのを消去し忘れてしまっていたり、ドライブレコーダーにラブホテルへ入る様子などが撮影されていたりする事もあります。

こういった情報はこれだけでは証拠として十分とはいえませんが、他の証拠（性交渉を推測させるメールなど）の補助的な役割として使える事があります。

たとえば、「今日のホテル良かったね！また行こう」などというLINEのやり取りがあった日にカーナビを使ってホテルへ行った履歴があったとしたらどこのホテルに行ったかまで分かる事もあるでしょう。

素人が不貞行為の証拠を掴む難しさ

夫が浮気相手との性行為を映像に収めていて、スマホからそれが見つかればかなり有力な浮気の証拠となりますが、性行為を撮影し保存しておく男性が多いわけでもなく、手に入れられる可能性としては極めて低いと考えられます。

また、写真や動画を撮っているかどうか調べる際には夫のスマホを覗き見るしか方法はありません。

しかし、いくら夫婦だとしてもスマホを勝手に見る行為はプライバシー権の侵害になりかねません。もし夫にバレたとしたら、逆に訴えられてしまう可能性もあります。

そして、SNSのメッセージやLINEも勝手に見るのはあまりおすすめできません。

もしIDやパスワードを勝手に入力して夫のアカウントにログインした場合は不正アクセスになる可能性もあります。

夫のスマホには浮気の証拠があるかもしれませんが、こういった理由から実際は入手する事が難しいと言えるでしょう。

そこで、証拠として有力なラブホテルへの出入りの様子を映像におさめたいところですが、この証拠を掴むのも素人には非常に困難です。

まず、大体がいつどこのラブホテルに行くか分からないので夫と浮気相手の行動を追わなければいけません。俗にいう尾行と言うやつです。尾行は対象者に決して気づかれてはいけませんが、尾行の経験がない素人が見よう見まねで行うと近づきすぎて対象者に気が付かれてしまったり、離れすぎて見失ってしまったり、取り返しのつかないミスを犯してしまう事があります。

また、撮影のためにホテルの出入り口に張り込むことになりますが、対象者からは見えず、尚且つこちらからは撮影が適切にできる場所を選ばなければいけません。張り込みのノウハウを知らない素人が行うと周辺の人から怪しまれてしまう事や逆光になって対象者の顔が映らないところで張り込みしてしまう事もあります。

さらに、撮影する時は夜間などで暗い現場やホテル周辺の状況から近づくことができない現場もあります。そういった場所では高性能カメラを使用したり、カップルを装って隠しカメラで撮影するなど様々な方法で対応する必要があります。

このように浮気現場の撮影は難易度が非常に高いため素人が確実に行うのは難しいでしょう。

確実な証拠を入手する前に問い詰めないで！

素人が浮気の証拠を掴むのは難しいので、「もう本人に認めさせよう！」と何となく浮気の証拠となりそうなことを理由に夫に白状させようとすることもありますが、それはやめておいてください。

なぜなら、言い逃れのできるような浮気の証拠ではいくら問い詰めたとしても夫が浮気を認める可能性が低いのです。

また、夫のスマホに援助交際やパパ活を思わせるメッセージが届いているのを偶然発見してしまったら、つい感情的になって「これは誰！？いったいどういうことなの？」と問い詰めたくなるかもしれません。しかし、感情的に攻め寄っても相手も感情的になって激しく言い争いになるだけで終わってしまう事もあります。

いずれにせよ、確実な証拠がない状態で浮気を疑っている事を話してしまえば、相手は浮気を認めないだけでなく、「証拠を取られてたまるか！」と証拠隠滅をはかり、更なる警戒をします。そうなると不貞行為を立証するのに必要な証拠を掴めなくなってしまう事もあるのです。

ですから、夫が援助交際やパパ活をしているときは話し合いをする前に言い逃れのできない確固たる証拠を集めておきましょう。

浮気調査はプロの探偵に依頼することがオススメ

夫が援助交際やパパ活をしている可能性があった場合、まずとにかく真実を知りたいと思うでしょう。しかし、先述した通り、確かな証拠がないうちに問い詰めても真実を話してもらえる可能性は低いです。

かといって、自分で浮気調査をして証拠を掴もうとしても、調査経験のない素人が行うと失敗してしまい、真実を知る事もできなければ証拠を掴むこともできなくなってしまうこともあります。

また、浮気調査を自分で行うのは想像以上に大変で、肉体的にも精神的にも多くの負担がかかります。

探偵は様々な調査を数多く実践していますので、浮気調査のノウハウやスキルも豊富です。確実な証拠を掴みたいと思った際には、実績のある探偵へ浮気調査を依頼する事をおすすめします。

まとめ

援助交際やパパ活はその関係の中で性行為や性交類似行為があれば法的にも浮気とみなされる可能性が高く、慰謝料請求や離婚の根拠となるでしょう。

もし夫が援助交際やパパ活をしているようであれば、性行為の有無でその後にできる法的措置が大きく変わると言えるため、まずは性行為があるかどうかをハッキリさせ証拠を掴むことが大切です。

ハッキリさせると言っても確実な証拠が無い状態で夫に真実を語らせようとしても白状する事はほぼありません。しかも、浮気を疑っている事を伝えるとその後に証拠を掴むことが難しくなるので証拠が無いうちに問い詰める事はやめましょう。

また、浮気の証拠となるものはいくつかあり自分である程度掴むこともできます。しかし、様々なリスクがありますので無理はしないようにしてください。

確実に安全に証拠を掴みたい場合は探偵の浮気調査をおすすめします。探偵ならプロならではの高い技術で確かな証拠を掴んでくれるでしょう。