配偶者の浮気がわかった時に相談する相手として探偵や弁護士が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
探偵は浮気調査や人探しをする時に、強い味方になってくれます。
弁護士も同じく浮気でトラブルになった時に心強い存在となりますが、どちらに相談すれば良いか悩む方もいると思います。
今回は探偵と弁護士の違いや、浮気調査をどちらに相談するべきかパターン別でご紹介したいと思います。
探偵と弁護士の明確な違い
探偵と弁護士、どちらも相談先として良く知られているので、配偶者の浮気問題で悩んだ時にどちらに相談するべきか悩むこともあります。しかし、その両者ができることやできないこと、得意な専門分野などには明確な違いがあります。
まずは探偵と弁護士にどのような違いがあるのか解説いたします。
探偵は様々な事を調べるので何か資格が必要そうな気がしますが、実は探偵が取得しなければいけない資格や免許というものは特にありません。
探偵になれない者としての制限は探偵業法でいくつか定められていますが、「暴力団関係者」「成人被後見人」「未成年者」「過去五年以内に禁固刑を受けた者」などとなっているため決して厳しい条件というわけではありません。よって、ほとんどの人が届け出さえ出せば探偵業を営むことが可能です。
ただし、資格が必要ないとはいえ、調査する事は簡単ではありません。そのため探偵が調査で必要なノウハウやスキルを学ぶために探偵学校に行ったり、探偵事務所に勤めながら民間の資格を取得するために勉強したりする事もあります。
他方、弁護士はというと、司法試験に合格して国家資格を取得しなければ弁護士にはなれません。
国家資格を持っている弁護士は、法律知識をもって権利や利益を守るために活動する専門家であるため、裁判や調停、示談交渉など依頼者の代理人として交渉することができます。浮気問題だけでなく相続問題や刑事事件など、さまざまな分野におけるトラブルについて代理が可能です。依頼人の代理で浮気の慰謝料請求や被告の弁護などをすることは弁護士にだけ許されている業務となっています。
一方、国家資格を保有していない探偵は、弁護士のように依頼者の代理人になって慰謝料の請求をしたり交渉したりすることはできません。そういった弁護士にのみ許されている業務を探偵が行った場合、違法行為となり罰せられてしまうことがあります。
弁護士の資格をもっていない人が、弁護士業を商売として行うことを非弁行為と言います。(弁護士法第 72 条) 違反者は 2 年以下の懲役または 300 万円以下の罰金となります。
このように、法的に「代理人になれる弁護士」と「代理人になれない探偵」は明らかに異なる業務となっています。
弁護士もその職務上さまざまな事を調べられますが、弁護士の調査方法は基本的に法的な手続きによって行います。たとえば、職務上請求で相手の戸籍謄本や住民票を役所などから取り寄せる事ができます。
また、弁護士会照会を利用すれば受任した事件についての防犯カメラ映像、預貯金口座の残高履歴、携帯電話の契約者などを調べられる事もあります。
一方、探偵は法的な手続きで調査する事はできません。
ですから、相手の住所を知るために役所から戸籍謄本などを取る事もできません。
しかし、住所を知りたい時は別の角度から調べられる事ができます。例えば自宅はわからないけど職場が分かっているなどであれば職場から尾行すればすぐに自宅が判明します。
浮気問題の相談先はどちらにするか
弁護士と探偵には明らかに異なる点がある事はわかったと思います。では、もしあなたの配偶者が浮気をしているとわかった時に探偵と弁護士どちらに相談したらいいのでしょうか。
どちらに相談するべきかは、状況により変わってきます。
探偵に相談
《浮気の事実確認をしたい》
配偶者が浮気をしている気がするけれどハッキリとわかっていない場合は探偵の浮気調査で浮気の事実確認をする事ができます。
また、浮気の事実確認の他相手が誰なのかわからないような場合も探偵の浮気調査で調べる事ができます。
こういった浮気の事実を確かめる調査は弁護士にはできませんので探偵に相談するべきでしょう。
《浮気の確かな証拠が無い》
配偶者が浮気をしている、もしくは浮気の可能性があるけれど浮気していると証明できる確かな証拠となるものが無い場合は探偵に相談する事をおすすめします。
浮気を知ってこれからどうしたいかはまだわからないかもしれませんが、浮気を理由に慰謝料請求や離婚をする場合、その交渉をするために浮気の証拠があるのとないのでは全く異なる結果になる事があります。
また、離婚はせず夫婦関係を継続するとしても、再び浮気をしないように誓約書を作成する事が有効です。
どちらにしても、確かな浮気の証拠がなければ配偶者は浮気を認めない可能性が高く、思ったように上手く話が進まないかもしれません。
探偵は浮気の証拠集めが非常に得意です。尾行や張り込み、または聞き込みなどの調査方法により、裁判を行う際にも使用できる証拠も掴むことができます。
こういった浮気の証拠は弁護士の手続きでは入手する事ができないため、証拠が無い場合は探偵に相談した方が良いでしょう。
弁護士に相談
《離婚や慰謝料請求をしたい》
浮気の確かな証拠があれば、ご自分で配偶者と慰謝料などの交渉をする事も可能ではありますが、証拠を最大限に活用できるのが弁護士とも言えます。離婚の条件や慰謝料の金額などの交渉は自分で行うより弁護士が代理人となって行う方が精神的にも楽ですし、その結果も満足ができる物となる可能性が高いです。
離婚や慰謝料請求など法的措置を考えている場合、弁護士に相談すると良いでしょう。
証拠集めは探偵が得意としていますが、実際に法律的な手続きを代理で行うのは弁護士にしかできません。
そのため、離婚や慰謝料請求など法的処置を考えているケースでは、法的手続きの代理が得意な弁護士に相談した方が良いと言えるでしょう。
まとめ
浮気問題の相談先として、探偵も弁護士もどちらも頼りになります。ただし両者の業務内容には明確な違いがあります。
探偵は報酬を得て弁護士にしか許されていない業務を行うと、非弁行為となり厳しく罰せられてしまいます。
そのため、法的措置を考えているのなら有利な交渉のできる弁護士に相談すると良いでしょう。
ただし、弁護士は浮気の事実を調べる事は専門としていませんので、浮気の事実確認や浮気相手について調べたいとしたら探偵に相談すると良いでしょう。
探偵にできること、弁護士にできることを理解し、どちらに相談するべきか判断してみてください。